ランニングシューズとウォーキングシューズの違いは?兼用の可否と選び方
ランニングシューズとウォーキングシューズは、クッションと反発、重量、ソール形状まで作りが違います。ランニングシューズで歩くのはあり、ウォーキングシューズで走るのはなし。その理由と、1足で兼用したい人の選び方を解説します。
この記事の要点
- 走る衝撃は体重の2〜3倍、歩く衝撃は1.2倍前後とされます。前提が違うので、靴の作りも別物です。
- ランニングシューズで歩くのは問題ありません。逆に、ウォーキングシューズで走るのはやめてください。
- 1足で済ませるなら、クッション厚めのデイリートレーナー系のランニングシューズを選びます。
- ランニングシューズの弱点は雨とアウトソールの減り。まったく走らない人には、ウォーキングシューズを選ぶ理由が残ります。
走る用と歩く用、見た目は似ていますが作りは別物です。先に答えを言うと、ランニングシューズで歩くのはあり、ウォーキングシューズで走るのはなしです。1足で済ませたいなら、クッション厚めのランニングシューズを選んでください。
なぜそう言い切れるのか。受け止める衝撃の大きさが違うからです。走ると着地のたびに体重の2〜3倍の衝撃がかかるとされます。歩きは1.2倍前後。ランニングシューズは大きい方の衝撃を前提に作られているので、歩く分には余裕があります。逆は余裕がない、それだけの話です。
走る動作と歩く動作の違い
一番の違いは、両足が地面から離れる瞬間があるかどうかです。歩いているあいだは、必ずどちらかの足が地面についています。走りには両足が浮く局面があり、そこから片足で着地する。体が落ちてくるぶん、衝撃が大きくなります。
もう一つは重心移動の速さです。歩きはかかとで接地してから、足裏全体を使ってゆっくり体重を前へ運びます。走りは接地時間が短く、着地から蹴り出しまでが一瞬。
メーカーはこの2つの違いを前提に靴を作り分けています。だから見た目が似ていても、中身はかなり違う。
作りの違い
ランニングシューズの中心はミッドソールです。柔らかい発泡フォームで着地の衝撃を吸収し、潰れたフォームが戻る力で前へ進む反発を返す。ここ数年のシューズはこのフォームの性能競争が中心で、厚くても軽い素材が主流になりました。
ウォーキングシューズが優先するのは安定と耐久です。フォームは硬めで、反発はあまり求めません。かわりにアウトソールのゴムが厚く、すり減りに強い。アッパーも合皮や革で丈夫に作られていて、防水のモデルも珍しくないようです。
重さははっきり違います。ランニングシューズのデイリーモデルは250g前後が目安で、当サイトでレビューしたHOKA CLIFTON 9は248g、adidas Supernova Prima 2は283gです。ウォーキングシューズは300gを超えるものが普通にあります。歩くだけなら気にならない差ですが、走るとこの数十グラムが効いてきます。
ソール形状も見分けやすいところです。ランニングシューズはつま先が反り上がったロッカー形状が多く、重心を前へ転がして蹴り出しを助けます。ウォーキングシューズは接地が平らに近く、かかとからつま先まで安定して体重を乗せられる形をしています。
すり減り方の違い
歩きはかかと接地の時間が長いので、かかとの外側から先に減ります。あとは蹴り出しで使う親指の付け根のあたり。ウォーキングシューズのかかとに厚いゴムが貼ってあるのは、メーカーがここから先に減ると分かっているからです。
ランニングシューズを歩きで使うと、この減り方の違いがそのまま弱点になります。ランニングシューズのアウトソールは軽さを優先して薄く、かかとの外側を削る歩き方には強くない。歩けます、でも減りは早い。距離と寿命の関係はランニングシューズの寿命ガイドにまとめてあります。
ランニングシューズでのウォーキング
問題ありません。というより、長い距離を歩く日ほどランニングシューズの良さが出ます。軽くてクッションがあるので、足が疲れにくい。
弱点は雨です。アッパーは通気優先のメッシュなので、雨の日は普通に濡れます。白系のメッシュは汚れも目立って微妙です。あとは前の節で書いたとおり、アウトソールの減りが早いこと。毎日の通勤で履き倒すつもりなら、走る用と歩く用を分けたほうが結果的に安くつくと思います。
それと、ランニングシューズなら何でもいいわけではありません。ソールが薄いレース用は歩行のクッションとしては心もとなく、値段も高い。歩きに回すならクッション厚めのデイリートレーナーです。
ウォーキングシューズでのランニング
やめてください。歩行用の硬いソールは走る衝撃を受け止める作りになっていませんし、反発もないので、ただ重くてしんどいだけです。
信号に間に合わせるために小走りするくらいは当然かまいません。ここで言っているのは、ウォーキングシューズをランニングの練習に使うことです。週に何回か走るつもりがあるなら、最初からランニングシューズを買ってください。エントリー向けのデイリートレーナーなら1万円台から選べます。
1足で済ませたい人の選び方
TIP
1足で走りも歩きもまかなう条件です。
- クッション厚めのデイリートレーナー系のランニングシューズを選ぶ
- ソールが薄いレース用と、300gを超える重いモデルは外す
- 通勤でも履くなら、汚れの目立たない濃い色を選ぶ
雨の日が多い、革靴に近い見た目が要る、そもそも走らない。そういう条件ならウォーキングシューズに分があります。立ち仕事や通勤が中心で走る予定がないなら、耐摩耗のゴムと丈夫なアッパーのぶん長持ちするはずです。
ただ、このガイドを読んでいる時点で、走ることは選択肢に入っているはずです。それならクッション厚めのランニングシューズが答えです。歩きはランニングシューズでこなせて、走りはウォーキングシューズでこなせない。兼用できる方向は一方通行です。
よくある質問
ランニングシューズでウォーキングをしてもいいですか?
問題ありません。クッションと軽さは歩行でもそのまま利点になり、長い距離を歩く日ほど差が出ます。ただしメッシュのアッパーは雨に弱く、アウトソールは歩行用より薄いので減りは早めです。ソールが薄いレース用モデルは普段のウォーキングには向きません。
ウォーキングシューズでランニングをしてもいいですか?
やめてください。ウォーキングシューズは歩行の衝撃(体重の1.2倍前後とされます)を前提にした作りで、走行時の2〜3倍の衝撃を受け止めるクッションや反発を持っていません。重量もあるので、走る動作そのものが窮屈になります。走るならランニングシューズを使ってください。
1足だけ買うならどちらがいいですか?
少しでも走る予定があるなら、クッションが厚めのデイリートレーナー系のランニングシューズです。歩行はランニングシューズでこなせますが、逆は成立しないからです。まったく走らず、通勤や街歩きが中心なら、耐摩耗性と見た目でウォーキングシューズを選ぶ理由があります。
店頭ではどこを見れば見分けられますか?
つま先の反り上がりとソールの素材感が分かりやすい違いです。ランニングシューズはつま先が反ったロッカー形状で、発泡素材のミッドソールが厚く見えます。ウォーキングシューズはソールが平らに近く、アウトソールのゴムが厚め。持ち比べると重さの差もはっきり出ます。

二村 昇太朗ランナー / エンジニア
小1から陸上一筋17年目。箱根駅伝2回出走(第101回10区 / 第102回7区 区間5位)、フルマラソン自己ベスト2時間16分17秒、東京マラソン2026出走。ほぼ毎朝3:45起床・12km走を継続中。