アディゼロ全種類の違いと選び方:プロ・エボ・SL・ジャパン・タクミセンを実走比較
adidasの「アディゼロ」シリーズをレース用カーボンから薄底レーサー、テンポ練習用、デイリー、スパイクまで実走してきた筆者が、モデルごとの違いと用途別の選び方を一次情報でまとめました。
この記事の要点
- アディゼロは大きく4つに分かれます。レース用カーボン(プロ4・エボ1・エボ2)、カーボンを使わない薄底レーサー(タクミセン11)、テンポ・スピード練習用(エボSL・ボストン13・ジャパン9)、そしてトラック用スパイク(アバンチ)です。SL 2は同じアディゼロでもデイリー寄りの薄底ジョグシューです。
- レースの本命はプロ4。箱根駅伝も東京マラソン(フル2時間16分台)もこれで走りました。上りも折り返しもペース変化も受け止める対応力が決め手です。
- エボ1・エボ2は軽さと反発を極めた決戦兵器ですが、扱いが難しく耐久も短い割り切りの一足。まずプロ4を勧めます。
- カーボンを使わない練習の主役はエボSL。ゆっくりのジョグから30kmペース走まで1足でこなす万能さがあります。
アディダスの「アディゼロ」シリーズを、レース用カーボンからテンポ練習用、デイリー、トラック用スパイクまで実走してきました。箱根駅伝・全日本大学駅伝・東京マラソン(フル2時間16分台)で履いたモデルも含め、このページでは実際に走って確かめた違いだけをもとに、モデルごとの立ち位置と選び方をまとめます。
POINT
アディゼロは展開数が多く、名前も似ていて選びにくいシリーズです。ここでは「レース用カーボン」「カーボンなしの薄底レーサー」「テンポ・スピード練習用」「トラック用スパイク」の4つに分けて整理します。
レース用カーボン:プロ4・エボ1・エボ2
自己ベストを狙う日のための厚底カーボンです。3モデルとも実走していますが、性格ははっきり分かれます。
アディオス プロ 4は、どんなコースでも使える対応力が武器です。上りも折り返しもペース変化も受け止め、後半まで足が持つ。箱根駅伝も全日本大学駅伝4区も東京マラソンも、迷わずこれを選びました。レースに出るすべてのランナーに勧められる一足です。
アディオス プロ エボ 1とエボ 2は、軽さと反発を極めた決戦兵器です。とにかく軽く、その軽さの割に反発が強烈でスピードが出しやすい。ただしアップダウンのあるコースでは力を使ってしまい、ペース変動への対応もプロ4より難しい。耐久距離はフルマラソン1回と50kmほどと言われ、価格も非常に高価です。評者はエボ1を箱根駅伝10区、エボ2を全日本大学駅伝4区で使いましたが、走った実感は同系統でした(スペック上はドロップがエボ1の6mmからエボ2の3mmへ下がっています)。
注意
エボは扱いきれれば一択になるポテンシャルがありますが、完全な割り切りが要る決戦専用です。重要なレースでは評者もまずプロ4を選んでいました。プロ4で戦えるようになってから、勝負レースに振り切る選択肢として検討する順番をおすすめします。
カーボンを使わない薄底レーサー:タクミセン11
アディゼロ タクミ セン 11は、プロ4ほど厚底ではない薄めのレーサーです。カーボンプレートは入っておらず、反発は自分の足で接地と蹴り出しを作りながら得るタイプ。カーボン禁止のポイント練やインターバル、少し上りのあるコースで、評者はこの一足を使っていました。ジャパン9より厚くエボSLより速いペースに対応できる、ちょうど中間の立ち位置です。レースでカーボンを使いたくない人や、厚底すぎるのが苦手な人の選択肢になります。
テンポ・スピード練習用:エボSL・ボストン13・ジャパン9
日々の練習の主役になるのがこの3モデルです。守備範囲の広さで選ぶなら、まずアディゼロ エボ SLを挙げます。ゆっくりの疲労抜きジョグから、キロ4分を切るリズムジョグ、30kmを3:40〜4:00/kmで押し切るペース走まで、これ1足でこなせる万能さがあります。弱点は濡れた路面でのグリップと、他のアディダスより早い耐久の落ち方(寿命の目安は600km以下)です。
アディゼロ ボストン13は、厚みがあって足に優しく、それでいてスイスイ進むデイリー寄りの一足。エボSLほどの反発ではありませんが、坂道でも滑らず登れて、入門用として一番失敗しにくい立ち位置です。
アディゼロ ジャパン9は非常に薄くて軽く、3:20/kmまでのペース走やクロスカントリー、坂道ダッシュで足を鍛える一足です。薄いぶん足へのダメージは大きく、厚底に慣れた脚だと長い距離の後半はきつくなります。用途を割り切って使うシューズです。
デイリー:SL 2
アディゼロ SL 2は、厚底にはない「自分の足で走っている」感覚を得られる薄めのジョグシューです。地面を足で捉えて自分の脚力で前に持っていく感覚があり、価格も安くコスパが高い。評者はポイント練習前のアップジョグで履き、感覚を確かめてから練習用シューズに履き替える使い方をしていました。反面、薄いぶん耐久力は弱く、へたりは早めです。
トラック用スパイク:アバンチ
ロード用のアディゼロとは別に、トラック競技専用のアディゼロ アバンチがあります。評者が大学3年でナイキのドラゴンフライから乗り換えて以降、トラックレースはすべてこのスパイクで走ってきました。ラストが上がる展開でも後半まで足が持つ万能機で、5000m・10000mでは後半の消耗を抑えるために3mmピンを使い、13分台・28分30秒台を出しています。部活や記録会でトラック種目に出場する人向けで、ロードのアディゼロとは選び方が完全に別物です。
隣接ライン:アディスター4
アディスター4は、アディゼロとは別のラインです。レース性能を追うアディゼロに対して、アディスターはクッション寄りのデイリートレーナー。厚底気味でクッション性があり、疲労抜きのジョグや早めのジョグに向きます。アディゼロで攻めた練習をした日の翌日、足を休ませる1足として組み合わせる位置づけです。
未実走モデル:プライム X3 STRUNG
アディゼロ プライム X3 STRUNGは、評者がまだ実走していないカタログ品です。公称スタックはヒール50mm・前足部43mmと超厚底で、メーカーは「レース用」と位置づけていますが、World Athleticsの競技規定を超えるため公認レースでは使用できません。第三者レビューではロングラン・テンポ向けの「スーパートレーナー」として評価されることも多いモデルです。公称スペックでの位置づけにとどめ、実走した本命には数えていません。
目的別に選ぶなら
- サブ3を狙うレース本番 → プロ4。対応力と後半までの足の持ちを最優先するなら、まずこれです。詳しくはサブ3向けのシューズ記事にまとめました。
- 決戦レースで振り切りたい → エボ1・エボ2。軽さと反発は別格ですが、扱いの難しさと耐久の短さを理解した上で選ぶ一足です。
- カーボンを使わずレースに出たい → タクミセン11。
- 日々の練習の主役 → エボSL。ジョグからペース走まで1足でこなせます。
- アディゼロの入門・1足目 → ボストン13。厚みがあって失敗しにくい立ち位置です。
- 薄底で足を鍛えたい → ジャパン9。
- 自分の足の感覚を確かめたい・コスパ重視 → SL 2。
- トラック競技 → アバンチ。
シリーズ全体からどのカテゴリを選ぶか迷う場合は、ランニングシューズの選び方ガイドから見直すのも近道です。サブ3を狙う段階に来ているなら、サブ3向けの記事でレース本番の選び方をさらに掘り下げています。
よくある質問
アディゼロにはどんな種類がありますか?
レース用カーボン(アディオス プロ 4、アディオス プロ エボ 1・エボ 2)、カーボンを使わない薄底レーサー(タクミ セン 11)、テンポ・スピード練習用(エボ SL、ボストン 13、ジャパン 9)、薄底デイリーのSL 2、トラック用スパイクのアバンチに分かれます。評者はこの全モデルを実走しています。
アディゼロの中で最初の1足はどれがいいですか?
ボストン13を勧めます。厚みがあって足への負担が少なく、それでいて速いペースにも反発で対応するので、入門用として一番失敗しにくい立ち位置です。カーボンのレース用は練習の土台ができてから検討すれば十分です。
プロ4とエボ(プロ エボ 1・2)はどちらを選ぶべきですか?
まずプロ4です。評者は箱根駅伝・全日本大学駅伝・東京マラソンいずれもプロ4を選びました。エボはポテンシャルこそ上ですが、上りでの消耗やペース変動への対応が難しく、耐久もフル1回と50kmほどと言われる割り切りの決戦兵器です。プロ4で戦えるようになってから、勝負レースに振り切る選択肢として検討する順番になります。
レースでカーボンシューズを使いたくない場合はどうすればいいですか?
タクミ セン11が候補になります。プロ4より薄く、カーボン禁止のポイント練やインターバル、上りのあるコースで使いやすいレーサーです。カーボンほどの反発はありませんが、自分の足で接地と蹴り出しを作りながら攻められます。
アディスター4はアディゼロと同じシリーズですか?
別のラインです。アディスターはアディダスのクッション寄りデイリートレーナーで、レース性能を追うアディゼロとは設計の狙いが異なります。厚めのクッションで疲労抜きジョグに向く一足で、アディゼロのラインアップと組み合わせて使う位置づけです。

二村 昇太朗ランナー / エンジニア
小1から陸上一筋17年目。箱根駅伝2回出走(第101回10区 / 第102回7区 区間5位)、フルマラソン自己ベスト2時間16分17秒、東京マラソン2026出走。ほぼ毎朝3:45起床・12km走を継続中。
関連するページ
- カテゴリレース(カーボン)のレビュー
- カテゴリテンポ / スピード練習のレビュー
- カテゴリデイリートレーナーのレビュー
- カテゴリスパイク(陸上)のレビュー
- adidasのレビューアディゼロ アディオス プロ 4
- adidasのレビューADIZERO ADIOS PRO EVO 1
- adidasのレビューADIZERO ADIOS PRO EVO 2
- adidasのレビューADIZERO TAKUMI SEN 11
- adidasのレビューアディゼロ EVO SL
- adidasのレビューAdizero Boston 13
- adidasのレビューADIZERO JAPAN 9
- adidasのレビューアディゼロ SL2
- adidasのレビューアディゼロ アバンチ
- adidasのレビューADISTAR 4